ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

ション(ss)


トイレの仕切り壁越しに覗かれるのはいやなものだ。ところが飛段は平気らしい。出先で用を足そうとすると嬉々として同行し、並んで放尿しながら必ずこちらを覗きこんでくる。わざわざ見るなと言うのも煩わしく、それではと逆に角都がじろじろ眺めてやってもまったく動じない。どうも飛段にとって覗きは無意識かつ自然な行動らしい。自分相手ならいざ知らず、第三者が隣に立ったらそいつのも見るのだろうか、そして飛段自身を平気で見せるのだろうか。そんなことを心配している時点で、恋愛という暴れ馬にうっかり跨ってしまっていることに角都自身気づいていない。