ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

だめな大人2(ss)

ss

こあん様からのリク「鼻づまり」による小話です。お題だけで、そこにこめられた違和感や焦燥が皆無になってしまいました;;そちらはまた後日ということでm(__)mでも書いてて楽しかったです^^こあん様、ありがとうございました。またぜひ恵んで下さいませ。 城…

雑記(memo)

6/28にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

午後八時、無風(ss)

ss

その日は昼間からひどく蒸し暑かったが、夜に向かうにつれ湿度はますます高まり、しまいには水のようになった夜気の中を角都と飛段は歩いていた。白い雲にふたをされた空は暮れてもなお明るく、遠い山の薄暗い稜線や空からの微光を反射する湿地のおもて、木…

雑記(memo)

6/27にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

主体と客体(ss)

ss

ただ飛段に触れたい角都はそのための言い訳を探すがなかなか見つからない。夜ならばなんとでもなるだろう、しかし今は真昼間でしかも街中である。何らかの理由で仕置きをすれば触れることができる。けれども今の角都は飛段を猫可愛がりしたい気分なのだった…

雑記(memo)

6/26にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

洗身・懲らしめ・約束・裁縫の見返り、みんないっしょくた(ss)

ss

角都に向けて飛んできた起爆札を、飛段は反射的に手で握って止めてしまった。考える間もなく爆発が起き、飛段がひっくり返っている間に、角都が相手を仕留めた。体の硬化もできないくせに何しているんだお前は、とさもバカにした口調で角都が言うが、自分を…

境地(ss)

ss

今日のお前の戦い方はなんだ、と苛立ちもあらわに角都が飛段を叱り飛ばす。俺たちがしているのは命のやりとりだぞ、わかっているのか。だーかーらーそれをオレに言うか角都よォ、とはなはだ不真面目な態度で飛段が応える。どうせこっちは死なねぇんだ、ちょ…

雑記(memo)

6/24にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

五里霧中(ss)

ss

生い茂る草を踏み分けて山道を進む角都は、歩みののろい相棒を待つ間にあたりを見渡し、薄い紗が何層にもおりているかのような景観を眺めた。濃い霧は乳のようにあたりを満たし、ときおりゆっくりと動いて、不意に山々の輪郭を影絵のように映し出すのだった…

雑記(memo)

6/23にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

転がっていくその先は(ss)

ss

ズボンのポケットを探ったら、今日道端で拾ったまま忘れていた五十両玉が出てきた。どうしようかなと思ったけど角都にやることにした。使ったら一瞬でなくなるカネだが、角都にやれば「あのとき五十両やったろ」といつまでも恩に着せることができる。けどた…

いろいろ楽しいおまけ(ss)

ss

飛段の大鎌が大名の首を刎ねたとき、血しぶきとともに、ぱっ、と光るものがあたりに飛び散って床の上で乾いた音をたてた。装飾品だな、と角都は思ったが、請け負った殺しを終えた今、厄介な追手に関わる気はさらさらなかったので、そのまま相棒と天守閣の屋…

雑記(memo)

6/20にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

片道だけの足跡をつけて(ss)

ss

多分勘違いして勝手にがんばる飛段の小話。でも角都も嬉しいんじゃないかと思います^^ 角都が久しぶりにアジトに戻ってきて、オレはすっごく嬉しくて、でも久しぶり過ぎてどうしていいかわからなくて、顔もオレがずっと思い描いていたのよりもいかついし、言…

そこへ行って手に入るものなら(ss)

ss

6/17に「飛段って頭と体が切り離された場合、集中すれば体を動かせたりしないのでしょうか」とコメントを下さった方のリクによる小話です。ええと…まず、すみませんと謝っておきますm(__)m飛段の可能性について気づいた角都があえて黙っている、という主旨を…

雑記(memo)

6/17にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

どこもかしこも美しく濡れている(ss)

ss

さー、と砂のような音を立てて細かい雨が降る。重たげに花ざかりの枝をしならせたヤマボウシの根元で雨止みをする角都は、天から地に届く糸のような雨と、その地から静かにたちのぼる靄を眺める。絵のような静けさに同調するかのように、いつもは騒々しい飛…

雑記(memo)

6/13にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

二着のコート(ss)

ss

昼間の熱がこもる宿の部屋の窓をオレは大きく開け放した。本当は布団を敷きたかったけど、ものすごく疲れていたのでコートを着たままささくれた畳の上にごろりと横になる。頭が落ち着かないが枕を持ってくるのも億劫だし、風が気持ちいいし、そのままごろご…

おかえり(ss)

ss

大事な用があると言って出かけていた飛段が丸一日たって宿に戻ってきた。黙ったまま畳に胡坐をかき、伏せ気味の面を壁に向ける相棒を、角都はちらりと見たきり書きものを続ける。今月の収支、終えた仕事、今後の予定、めぼしい賞金首の情報、今書けることが…

雑記(memo)

6/9にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

禁制品(ss)

ss

その国境の関所には出入りをする者が長く列を作っており、なんらかの審査を受けてから、やっとぽつりぽつりと関所の反対方向へ吐き出されるのだった。オレたちもずいぶん待たされた。退屈に耐えられないオレとしては待っている者の二、三人ぐらい贄にしてや…

雑記(memo)

6/8にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

正義は勝つか勝たないか(ss)

ss

俺に傷つけられ飛段に討ち取られた男は死の間際まで自分が勝つと信じていたようだった。どういうはずみか大木の幹に寄りかかったままこと切れている男は驚いたような顔をしていて、杭を胸に突き立て地面に横たわっている飛段よりもよほど生きているように見…

雑記(memo)

6/7にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

心ない落書き(ss)

ss

夜、焚火をいじりながら、自分の生い立ちについて珍しく飛段が話をする。一番古い記憶、好きだった景色、近所の幼馴染、たわいのない(中には悪質なものもあったが)いたずら。角都は自分があずかり知ることのない相棒の過去に不快を覚え、薪を乱暴にくべる…

雑記・追加(memo)

6/6にコメントを下さった方へ。ありがとうございました。

負けず嫌い(ss)

ss

こあん様からのリク「肩を並べる」による小話です。「張り合うのか、寄り添うのか、第三者から見て阿呆さ加減が五分なのか」との要素をとりあえずみんな入れてみました。パッチワーク野郎も(笑)。こあん様、楽しいリクをありがとうございました! よりによ…

言葉うらはら(ss)

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激しい雷雨の中アジトに戻ってきた角都を飛段はバカにする。何もこんな天気の中帰ってくるこたぁねえだろうがよ、明日まで待ちゃきっと晴れたぜ、無駄なことしやがったなオイ。角都は黙ったままずっくりと重い装束を脱ぐと濡れた体を拭きもせずに寝台に横た…