2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧
賞金首と飛段がやりあっている。さまざまな術を使う相手に対し、飛段の戦い方は実に単純で、突起物だらけのビルの壁面を駆け上がり、飛び降り、鎌を振り回す。角都はそれを見守り、機敏だが攻撃も防御も穴だらけで雑だ、後で言ってやらねば、と考えている。…
遠く離れた地での一人仕事を済ませてきた角都のポケットに紙切れが入っている。見れば情交中の飛段の写真で、しかもぎょっとするような構図である。驚いた飛段がいつ撮ったのかと尋ねると、出かける前の晩にな、と平気な顔で答えてくる。おいおいオメーおか…
横になってからもずっと小言を垂れ流していた相棒がやっと黙ったので、そっちを見たら、目を閉じてじっとしていた。オレはとりあえず小便に立ち、戻ってきても奴が動いていないのでこれは寝たふりじゃねーなと考えた。月が明るくてぬるい風が気持ちよくて遠…
一戦交えたあと、柔らかくぎっしりと生えた雑草の上で仰向けになったままの飛段が、身を離す角都を見上げて、おめぇの体ってマジ世界一だぜ、と言った。どこか幼く古臭い褒め言葉を角都は鼻で笑い、世界一だと、貴様俺しか知らないくせに、と返したが、言っ…
5/1にコメントをくださった方へ。ありがとうございました。 こあん様 お懐かしいこあん様、ようこそお立ち寄りくださいました。放蕩息子の最後の文は、説明的にせずに短く始末することができず、主体があいまいなものになりましたが、こあん様がほめてくださ…