ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

独語(trash)

今年度から部署異動になりまして、現在すばらしい中年イケメンの隣で仕事をしております。 イケメンて声までかっこいいのですね。 何か不都合なことが起こると「はぁ?そんなのきーてねーし」「あーやってらんねーよ××って何だよ」などとやたらかっこいい声…

理解できないものは怖い(ss)

ss

飛段がそうと知らずに高額の賞金首を狩ってきた。俺は喜び、閨の役割交換以外なら何でもわがままを聞いてやると相棒に約束をした。なに、俺の体を洗ってみたいだと、そんなことでいいのか、貴様本当に欲がないのだなハッハッハ。ところがいざ宿の風呂へ入り…

若い嫁(ss)

ss

連れ込み宿の天井一面が鏡であった。この鏡を使うことについて角都と飛段の間には今までにも確執があり、つまり二人がここに宿泊するのは初めてではない。次の獲物は相棒に屠らせると約束してやっと宿に入った角都はいそいそと、飛段はややしぶしぶと服を脱…

くだらない自慢(ss)

ss

飲み屋で見かけた野郎が今まで大勢殺してきたと大声で自慢している。チャラチャラした優男でこれっぽっちも強そうじゃないが、もしかしたらすごい術を使うのかもしれないと思ったら血が騒いでどうしようもない。角都は相手が賞金首じゃないからとまったく乗…

うぶな思い出(ss)

ss

角都と組んで間もなくのころ、オレは宿でヨレヨレにくたびれた雑誌を読んでいた。ちょうど今ごろの季節だったと思う。外は雨だしテレビもないし角都と話が合うわけでもないしで他にやることがなかった。悩みごと相談のページに「七十代の舅の部屋を掃除して…

むしろ好都合(ss)

ss

いつものことだが些細なことで角都と飛段は口げんかをし、言い負けた飛段が、てめーぜってー呪ってやる、と吐き捨てた。呪うだと、貴様ごときに何ができるというんだ。オレをなめんなよ、本気になりゃてめーなんかあっと言う間にズタズタのグチャグチャだぜ…

不器用な卑怯者(ss)

ss

抱いていた飛段が朦朧としながら、好きだ、と言った。主語がない曖昧な言葉を俺は自分に都合よく解釈し、そんなに俺が好きかと問いかけると飛段は何度もうんうんと頷いた。何を言われているかもわからないくせにと思うと妙な苛立ちと罪悪感がわいてきて、俺…

ジューシー(ss)

ss

木イチゴがたわわに実る藪のそばで休憩した。それまで足をひきずって歩いていた相棒だが、休みもせずにうろちょろと藪をめぐり、せっせとイチゴを食べている。じきに戻ってきたのを見ればコートの裾を籠代わりに熟れたイチゴを山ほど摘んでいる。オメーも食…

ロマン(ss)

ss

大きな取引を終え、角都のアタッシュケースがほぼ空になった。軽くなったそれを持たせてもらった飛段は、ケースを肩に担ぎ、いかにも与太者らしくあたりを睥睨しながら街中を歩いた。あんな実用一点張りのカバンを持ちたがるとは、と角都は思うが、飛段はご…

鼻の下は伸びっぱなし(ss)

ss

角都がオレの中へ入ってきたので呼吸が浅くなった。暑い日、川へ入るときの感じによく似ている。いつものことだが胸が中から押される苦しさにはどうしても慣れることができず、ハッハッと息をするオレに角都が、そういえば××の情報屋から連絡があったか、と…