ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

神でもないのに(ss)



金にがめつい、益のない儀式をダラダラ行うなど、角都も飛段も自分の相棒について突き放したものの言い方をよくしたが、聞かされる方はそのたびに辟易とした。悪口はそのどれもが形を変えた惚気であったから。ある日、角都につかまって愚痴られたマダラはその直後に飛段からも相棒への文句を聞かされる羽目になり、そのどちらにも同じ反論をしなければならなかった。相手の本質を変えたいなんてムリですよォ神様じゃないんですから、嫌なら離れるしかないし、離れられないんなら我慢するっきゃないんじゃないですかぁ。おいおい冷てぇなぁトビよォ、と不機嫌な声を出す飛段をおいてマダラはそそくさと自室へひきあげた。傍目には明らかなのに、本人たちに自覚がないのはどうしてなのだろうかと訝しみながら。その後も角都と飛段は変わることなく諍いながらつるみ合って生を送った。指摘されれば必ず否定したことだろうが、二人とも互いの愚かさをこそ深く愛したのである。