ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

アンバランス(ss)



宿で情報を待っているとき、俺が暇そうに座っているのを見た相棒が、角都ちゃんよォちょっと縫い目に触らせろや、と大威張りで胡坐の中に入ってきた。甘ったれた振舞いは幼児並みだが実際の相棒は伸びやかに育った大人の男であり、体はともかく、その長い脚が俺の胡坐に収まるはずがない。奴もそう思ったのだろう、こちらの腰を挟むように両脚を投げ出し、俺に対面して尻を据える。自然に俺たちの股は数枚の布を挟んで互いの股へ押し当てられることになる。そんな体勢で相棒は俺の肩の縫い目をいじり、それをたどって服の中のこちらの乳首に触れ、その指を今度は俺の背にまわして迷路のような縫い目をなぞろうとする。背から触手を少し出してやるとオッオッと喜んでそれに指を絡ませる。こいつは本当にガキだ、図体だけが大人のガキ。ガキは両手を触手で拘束されてもそうと気づかず、こちらの胸に顔を埋めて上機嫌で尋ねてくる。なあなあ、オメーのこの服さァ赤ん坊の腹掛けみたいじゃね?よだれかけにも似てるぜ、可愛いなあ角都ちゃん。確かにな、と俺は応じながらマスクを外し、両手で相棒の腰をつかむと、押しつけられている股間をさらに密着させてこすりつける。息苦しいのか口をふさがれた相棒が頭を振るが、俺の背で両腕を固定され、閉じられない股をいいようにこすられていては抵抗もままならない。やがて、伸びた舌をはみ出させた相棒の口から少し泡立った唾液がつーっと垂れ落ちる。俺は仰のいている相棒の後頭部を片手で支え、その顔を自分の胸に押し当てる。俺がいくつになってもよだれかけを手放さない理由はそれなりにちゃんとあるのである。