ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

真剣勝負(ss)



パンツ一枚で乱暴に睦み合いながら、飛段は相手の腰に脚をしっかりと絡ませ、隙を見て背後にまわろうとする。妙な具合にボディシザーズを極められた角都だが、そう簡単に後ろをとられはせず、片手を伸ばして相手の額をつかみ、アイアンクローへ持ち込む。飛段は曲げ縮めた脚で角都を蹴り上げるが、角都はその足をつかんで飛段を裏返すと逆エビ固めを極める。工事現場のような騒ぎに部屋を覗いたペインはグランドコブラ状態の二人を見て夜中のプロレスごっこはやめろと至極まっとうな意見をするが、とんだ出歯亀だな、ひとのエッチを覗くんじゃねーよ助平野郎、と口々に非難されてすごすごと引き下がる羽目になる。最後にトゥームストーン・パイルドライバーを極めた角都は、相棒の体をさかさまに抱えたまま目の前のパンツを歯でずらし、目的のものにかぶりつく。飛段の脚が激しく空を蹴る。角都の両腿にかたく挟まれ、股間を押しつけられた飛段の顔のあたりからガーガーと不明瞭な声が漏れるが、角都は容赦しない。うっかり油断すればいつフォールされるかわからない。そのときに自分の尻が相手の方を向いていたらと思うと身の毛がよだつ。世は常に戦いなのである。