ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

そんなにまでして勝ちたいのかよ…(ss)



のどかな道中で、次にすれ違うのは女だってほうに賭けるぜ、と飛段が言う。無一文のくせに何を賭けるんだ。めんどくせーな、んじゃお互い欲しいもんを相手から取りゃいいだろ。よかろう。賭けは成立し、二人は静かな山道を先へ行く。と、谷間のつり橋を渡ってくる者がいる。女だ。飛段は喜び、相手から何を取ろうかと声に出して考え始める。それを聞いた角都は内心恐怖し、くるりと後ろを向くと早足で何歩か歩いて飛段と行き違う。おっとうっかりお前とすれ違ってしまった、だが賭けは賭け、貴様の負けだな。ハァー?!と飛段が驚いた、というより情けなさそうな声を上げるが角都はツンと無視する。何かを守るためなら卑怯な行為も辞さない。真の強さとはそういうものだ。