ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

ひとりでできるもん(ss)

「純愛」の角都視点を読みたいと言ってくださった方へ。正確には別の話になってしまいましたm(__)mすみません。そしてありがとうございました。


人ひとり担いでの山越えはきついだろう。ふん、めっきり口数も減ったな。どういうつもりか知らんがつまらん意地を張ったもんじゃないか、俺の提案を飲めば苦労せずに済んだものを。悪いことは言わん、わずかばかりのカネや奉仕、蛇の抜け殻など諦めて、今からでも好きなところへ行け。ここから下る道が二筋あるだろう、そっちが草隠れ、こっちが雨隠れに通じる道だ。俺は、お前が出て行ってからゆっくりこの小屋で養生する。俺がどこへ行こうとお前の知ったことではない。脚だと、こんなものは時間をかければどうにでもなる。心臓が欲しくなれば自分でいくらでも補充する。寒ければ火を焚けばいい。メシはいつだって俺が用意していたろうが今さら何言ってるんだバカかお前は。やりたくなったら?手で済ませる、お前などまったく不要だハハハ。…なんだそのツラは、何をニヤニヤしている。さあさっさと出て行くんだな。得かどうかで相棒を決めると言ったが、これで得になるのだとしたら貴様とんだ変態だぞ。