ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

いつもの仕事(ss)



依頼を受けて小さな里を滅ぼした。敵襲への備えもあり手練れの者もいたが、夜間に潜入した俺たちが送電線切断、放火、本部襲撃までを短時間に行ったため、ろくな反撃もできないまま里は落ちた。空が白んでくると、道や焼け残った屋根の上に点々と死体が見えてきた。殺虫剤を浴びた蟻のようにそこらじゅうで死んでいる。消す者のない火事がのんびりと燃えている。カラスや獣が肉に群がり始める。立ち去る途中、相棒が数体の死体の首をはねた。まだ息があったらしい。半殺しはダメなんだと相棒が言う。几帳面に殺すさまを見ていてこいつ狂っているなと思い、それでいいと思った。多分俺も狂っているのだろう。