ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

天気の良い賽の河原で(ss)

※題が以前書いたものと酷似していたので変えました。記憶力のなさが情けない…(T_T)


荒涼としただだっぴろい大地がどこまでも続く。太陽は強く照りつけているのに地面には溶けない雪がこびりついている。大小の石ころを積み上げてあるのは多分土地の境を示す印だ。所有権を主張する者があるところを見ると、地下資源でも埋蔵されているのかもしれない。老後のために油田の一つも買ってみるかと考えてみたが、放浪しつつ他者を殺して歩く相棒が一緒では油田の管理もままなるまい。路傍の石積みのせいで賽の河原を歩いているような心持がする。これから死神と落ち合うのだと思えばふさわしい場所かもしれない。そんな道をどこまでも歩いていくと、遠い先からこちらに向かってくる人影が見えた。腰回りだけ申し訳程度に黒い布を巻きつけているが、どうやら相棒は戦闘で服も武器も失ったらしい。それでも近づいてくる足取りは元気なものだ。少しずつ大きくなってくる相手の姿を俺はじっと見つめる。見飽きることなく。