ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

おれのつれ(ss)



酒の席で、一緒に飲んでいた情報屋に角都が愚痴をこぼす。俺の連れはな、お前も知る通り下品で愚かで恥知らずでカネ勘定もできない役立たずだ、いくら教えてもものにならん。話題になっている飛段は酔いつぶれて相棒の太腿に頭をのせ、よだれを垂らして寝こけている。そんなに手こずってるならおれが引き取るからそいつを寄こせよ、と情報屋がからかうと、角都は腿の上の丸い頭を何度も叩き、こんな変なものを他人にやれるか、と酒に濁った口調でぶつぶつ言う。短気なあんたよりもおれの方がうまく仕込めるかもしれないぜ。いや、一度組んだ相手だからな、俺が何とかしてやらんと。けど計算もからきしできないのろまな役立たずなんだろ。うむ、だがそれでも構わん、時間をかけてじっくりやる、しかたがなかろう、俺の連れのことだからな。情報屋はニヤニヤするが、根が優しい男だったので、それ以上相手をいじめようとはしない。