ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

俺の(ss)



奴が買ったばかりのソフトクリームを地面に落としたので俺のをやったことがあった。特に好きな菓子でもなかったからだ。奴はヤリィと笑ってそれを二口で食べ、世界で一番愛してるぜ角都ちゃんよ、と言った。ジャシンにはかなわんがな、と俺は返し、たわごとめかして本音を言ったことにひねくれた喜びを感じた。異常に暑い日が続いた、確かひと月ほど前のことであった。今日、真昼間に催した俺は、雨宿りをした廃工場の中で立ったまま奴にいたずらをし、収まりがつかなくなってその近くに宿をとった。鉄くずが散乱して薬品臭が鼻を刺すような環境でことに及びたくなかった。雨だし急ぐ用もないし、と自分に言い訳をしながら部屋へ入り、奴をつかまえて武器を外させる。ホントすけべなジジイだなァてめー、と奴がぼやいて、それでも俺の作業に協力する。コートを脱がせると見慣れた体があらわになるが、何かが違う。違和感を覚えつつ欲を優先して俺は奴を背後から抱き、ズボンを引き下げ、ふくらんでいる股間を揉んでやった 。奴が喉 をそらせて俺の肩に頭を預ける。あたたかくなめらかな喉に口を寄せたとき、俺は思い当たる。数珠に輪をぶら下げたペンダントがない。考えてみれば今日一日あれを見た記憶がない。相手の尻に自分の器官を押しあてながら、俺はペンダントに邪魔されることなく奴の喉を舐め、何度も胸をさすった。独占欲と愛情は別のものだとわかっていたのに、思いがけなく感情を揺さぶられていた。