強奪してきた荷の中に茶道具一式を見つけた角都は、ふと興味がわいて茶の真似事をしてみることにし、殺風景な隠れ家の一室に毛氈を敷き茶釜に湯を沸かすといっぱしの粋人気取りで茶をたててみた。毛氈の上にしゃがんでそれを眺めていた飛段もお相伴にあずか…
今日も相棒のバイトにつきあわされてくたくたになり、たどりついた宿の布団にやっともぐりこんだら、プーンという羽音がオレの眠りの邪魔をする。もう十一月、セミもアブも見なくなって久しいのになんで一番厄介な蚊のヤローが生き残っているんだろう。こん…
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