ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

アウトロー(ss)



体制側でない者が法に背く場合、その者は社会から排斥される。世間の変わり身の早さを身をもって知っていた角都は権力に与することを徹底して嫌った。善悪など立場によって簡単に変わる。自分の行為には自分の理屈と責任が伴えばいいのであって大義名分など不要だ。飛段の考えはもっと単純である。ジャシン教と世界が相容れないならジャシン様につくまでのことだからである。その結果二人は危険人物となり、犯罪者としてあるときは汚物のように忌み嫌われ、あるときは畏怖の念を払われるようになった。もっとも貶されても褒められても二人にとってはどうでもよかった。角都は価値観の共有など限られた相手とのみできれば良いと思っていたし、飛段は相棒以外の他人にどのように呼ばれようが気にしなかったので。