ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

夜の子どもたち(ss)



やめろ飛段。
なんで?
いいからよせ、そんな気にはなれん、お前もさっさと寝ろ。
ちょっとぐらいいいじゃん…。
殺すぞ。
それをオレに言うかよ、ってホントに寝んのか?つまんねー野郎だな。

飛段、いいかげんにしろ。
お、起きたあ?
眠れるか、バカ!
あーおこんないおこんない。
くそ、なんでこんな…。
いいから角都は寝てろよ、オレが勝手にするからよ。

面倒になった角都は相手を放っておくことにする。飛段は、角都の体はおもしれぇなあなどと感想を述べながら相棒の肩から腕をなぞり、むきだしの背をいじり、衣服の中に指を進める。鼻唄までうたって楽しそうだ。そんなことがなぜそんなに楽しいのか角都にはわからない。拒絶こそしないものの素知らぬふりで決して反応を見せない角都だが、一緒に遊んでくれていると飛段は考えている。二人の上では湿った夜が木の枝から重たげに垂れ下がっている。星もなく、かなたの地平線は漆黒。遠くで犬が吠える。夜明けはまだ遠い。