ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

ちぐはぐ2(ss)



まず俺が手を出した。だらしなく服をはだけて他人のベッドに座り阿呆面をしている飛段を見ているうちに少し催したのだ。しかしその気がなかったらしい相手に激しく抵抗され、萎えた俺はさっさと手を引いた。そこまでしてするほどのことではなかった。ところが今度は飛段が絡んできた。なんだよおい、なんなんだよテメーはよーと貧しい語彙で罵りながら、椅子に戻った俺の肩をこづく。出て行けと言ったら目をつり上げて口を尖らせ、俺の足を蹴り、数えて重ねておいた机上の札束を手で払って床一面に散らかした。腹が立ったので鳩尾を殴り、顔をつかんで空になった机に叩きつけた。上半身を仰向けに固定され背骨を従来とは逆の向きに押し曲げられた飛段は、俺と机の間でしばらく暴れたが、硬くふくらんだ股に気づいた俺がそこに手を置くと動きを止め、こちらを睨みつけてきた。殴られて感じたか、とんだ変態野郎だな。言いながら服に手を入れてじかに握る。飛段がまた暴れ始めるが構わずに手を動かす。やがて押さえふさがれた口から熱い息とくぐもった声が漏れる。拒絶か受諾かわからないが、どうでもいい。このまま先にいかせ、相手の体をこちらにとって都合のいい状態にしてから好きなだけ使ってやろう、と俺は熱に浮かされたように考える。さっきまで薄かったはずの欲が、相手とかみ合わないまま再びたぎり始めていた。