ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

物理的には可能ですが(ss)

「現在地」「帰還」の後になります。




きれいに洗った細切れの断片を大まかに配置して、角都は眉を寄せる。足りない部分が多すぎる。内臓などは何が欠けているのかすら不明だ。デイダラを繕った時のようにどこかから失われた部分を調達してくれば良いのだが、他人のパーツを飛段につなげることになぜか角都は賛成できない。すきま部分には自分の繊維を埋めることにして裁縫を始めた角都の傍に、闇に慣れてしまった目を布で覆われた飛段の頭が転がっている。体液が干からびたせいかやつれた頬を動かして生首はしゃべりかける。なあなあ、どーなってるオレの体?使えそうか?わからん、と正直に答えると、飛段の頭はあっそうと言い、いっそオレの頭を角都にくっつけたらいーんじゃね、と、とんでもないことを言いだした。いいじゃん角都、肩とか腹とか背中とか、股ぐらでもいいぜ、オレの頭テメーにくっつけたらオレたちずっと一緒にいられるだろうが。バカが、と角都はその案を一蹴し、なんでだよーとわめく声を無視して縫物に精を出す。肩や背中など論外、腹もまず無理だ。股ぐらなら何とかなるかもしれないが、恋人にキスをするたび自分のナニが目に入るなんて角都の繊細な神経に障るではないか。