ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

記憶される骨格(ss)



水筒あったぜ。こーゆー連隊の奴らの水筒ってみんな同じ形なのな。あーもひとつあった、こんだけありゃ足りんじゃねぇか。足りなかったらオレのションベンかけてやるから心配すんなって、へっへっ。いいよそこにいろよ、おめーも目ェやられてんだろ、オレが行くから待ってろって。オレの目?なんか目ん玉溶けたみたいでさ、洗ってどうなるもんでもねーみてぇだからひとりでに治るの待つしかねーんじゃね?あぁいたいた角都、んじゃあ仰向けになれよオレの膝貸すから。だってそーしねぇと目ェ洗えねぇだろ、水は下に落ちんだからさあ。ハァ?だめだってぇ、おめー毒弾握りつぶしてたじゃん、そんな手で洗ったって水が無駄になるだけだぜ。そうそう、最初っからおとなしく言うこと聞けっつーのホント。ほーら、気持ちいいだろうが。まだ痛ぇか?そうか、うん。なあ、考えてみたらさ、角都の顔をこうしてさわんのってあんまりなかったよなぁ。おめーこんな顔してんだな、覚えたぜ。いつかさ、おめーの首がちょん切れて他の首と混ざっちまって真っ暗闇の中でそれ探さなくちゃなんなくなっても、オレはちゃんと見つけてやるからな。え、縫い目?…なんだよ、他の首の奴らもみんなほっぺたんとこ縫ってるかもしれねーだろーが。あ、今バカにしやがっただろテメー、見えなくても顔さわってりゃ笑ったのわかるんだからな!なめんなよコラ!