ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

身を滅ぼす欲(ss)



賞金首を取り逃がしたことについて、遊び半分の戦い方を強く咎める俺に対し、飛段は俺の金銭に対する執着が逆に損を招いたのだと嘲笑した。立腹した俺は飛段の顔をわしづかみにして口をふさぐとそのまま宙吊りにし、服を剥ぎ、痛めつけた。怒りと興奮に激する俺の体は相手を文字通り引き裂いた。飛段は俺の手に噛みついてしばらく暴れたが、体内に侵入した俺が主要な器官をずたずたにすると不明瞭な喉声を漏らして抵抗をやめ、暴力を受け入れた。鮮血が立ったままの俺の腿を伝い、量を増して畳を汚す。と、廊下に面した襖が開いて宿の主人が団子のように丸い真っ赤な顔を突き出した。ああー旦那旦那、畳に血は困りますよ取れないんですよ布団の上で頼んますよ。行為を中断された俺は飛段を床に落とすと新しい対象に相対し、伸ばした手でその首をつかんだ。覗きだけならば許してやったものを畳のために命を落とすとは愚かな男だ、恨むなら己の欲の深さを恨むんだな。これから死ぬ男に言い聞かせる俺の背後で何かが動く。振り向く目に映る黒と白、次いで訪れる心臓への鋭い痛みと脱力、闇。最後まで感覚が生き残る耳が、こけつまろびつ逃げ出す主人の足音とせせら笑う相棒の声を拾う。そうだな欲はいつだって身を滅ぼすんだぜ、わかってんじゃねーか角都。