ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

禁忌(ss)

「その一瞬を愉しめ」のビミョーな続きです。



食事の支度ができたと使者が告げに来たので、角都は寝台に敷かれた薄い絹織物とその上に積まれた緞子のクッション、さらにその上に自堕落に仰臥する相棒に目をやった。天井から吊り下げられたランプのほのかな灯の下で、白い衣をはだけ、赤い舌をたらしている姿はひどく淫らでいかがわしく、不用意に部屋へ踏み込んだ使者は一瞬目を見張り、すぐに引き下がった。前ぐらい隠せ、バカが。相棒と向き合って横たわる角都は、相手の汚れた股間をぴしゃりと叩いた。手ひどく打ったにもかかわらず反応しない相手に向けて、お前は飲みすぎだ、と断罪する。この国の法において酒に惑わされた者は罰を受けなければならん、覚悟はいいか飛段。相棒に引き寄せられてクッションの山から滑り落ち、縫い目だらけの肌に自分の肌を押しつけてじっとしている飛段の尻を、角都は執拗に打ち据える。反省の色がない相手をこらしめるために他の部分にも手指を伸ばす。飛段の体は次第に汗ばんで真っ赤に色づき、苦痛に脈打つ。罪よ罪よ、と相手の熱に身を埋めながら角都は祈るように考える。お前がいなかったら、世界はどんなに無味乾燥で退屈なことか。