ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

甘えた野郎(ss)



角都がオレに説教する。毎回の繰り言だ。いい加減聞き飽きたが、縫い合わせてもらっている身では逃げることができない。角都の言っていることは正しいっちゃ正しい。戦闘中に喋ったり騒いだりするのは確かに無駄なんだろう、けど、どうせやるなら楽しく効果的にやりてーじゃねーか。それにジャシン教の布教も欠かせない、オレの、なんだ、その、レーズンデートルってヤツなんだから。そう言ったら角都がレーゾンデートルだレーズンじゃない、ってばっさり切ってまた小言を続けたのでオレはプーとふくれた。今のはけっこう頑張ったセリフだったんだ…まあオレは所詮こんなもんだけど。自分に高望みはしない、能力を超えたことはできねーもんな。たまに「120%の力」とか言う奴がいるけど、あれムリだから、全部で100%だから。だから角都がやけに熱心に、お前はやればできるんだ飛段、と力説してもへーへーとしか返事ができない。別にいーじゃねーか、多少オレが足りなくても角都がいるんだから、そのためのツーマンセルだろ、違うの?