ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

堪能する(ss)



やろうということになり、飛段が服を脱ぎ始めた。角都自身も脱衣をしていたが、体を動かすたびに肌の露出が広がっていく相棒を眺めているうちに目が離せなくなった。上から順番に装備を外していた飛段は途中で相棒の視線に気づき、曖昧に見返しながらもズボンを脱ぎ捨てようとしたが、脚絆を外し忘れていたためにうまくいかず、膝から下に絡まりついた衣類を踏みつけて脱ごうとして失敗した。バランスを崩してよろけながら、それでもじっと自分を眺める相棒に文句を言う。なんだよ、なに見てんだよテメー。吠えながら裸の尻を突き出して身をかがめる相棒は角都の目を楽しませた。頬を少し赤くしているのも好ましい。肌を撫でる視線に飛段は居心地が悪くなり、不自由に露出した体を今さら隠そうとしたが、どこを隠せばいいのかわからない。自分の手は小さすぎる、と飛段は考える。こんな手ではどこも隠せない、角都の大きな手のひらならば要所を覆えるだろうに。無遠慮な鑑賞眼の前で飛段は恥ずかしさと照れくささのあまり落ち着きを失い、体ではなく己の目を覆って立ちすくむという愚行を犯してしまう。くそっ、あんま見んじゃねー。朱に染まるような情けない声を聞きながら角都はしみじみと満足する。充分だ。世界はもうこれだけでいい。