ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

本日のトピック(parallel)

文中のペインと小南のイメージは、すてき角飛サイト「shuuura」様の拍手文を真似たものです。



暇つぶしに飛段が持ち込む雑誌には、風俗関係のものが多く紛れ込んでいる。たいそう下品なものも、ひどくマニアックなものもある。今日の飛段は縁側に寝そべってピアッシングの雑誌を見ている。隣を通り過ぎようとした角都は、つい足を止めてそれを覗いてしまう。全身にピアスをほどこした鮮やかなオレンジ色の髪の男が挑戦的にカメラを睨んでいる。「神」という太字のタイトルが全裸の男の股間を隠すように配置されている。眉をひそめる角都の前で飛段がページをめくる。先ほどの男が今度は目隠しをした状態で壁につながれ、やはりピアスだらけの急所を黒い紐で縛られて、青い髪の美女に鞭打たれている。なんなんだそいつは。つい口から出た問いに飛段がすらすらと答える。こいつはペインでこの子はコナンちゃん、おめーテレビ見ねえから知らないだろうが有名なんだぜ、こないだの選挙にも出てセーケンホーソーで世界を征服しますって公約ぶって落ちたんだ、コナンちゃんにはそれでもけっこう票が入ったみてーだけどよ。角都はますます眉を寄せてしばらく考え、くだらん、と言い捨てて自室へ入っていく。だったらひとの雑誌覗くんじゃねーよ、と相手の背に言い返しながら飛段は内心ほくそ笑む。今日の角都の反応は悪くなかった。ほとんど他者に関わろうとしない角都の注意を引こうと飛段はいろいろやってみているのだが、どうやらエロ本が効果的らしいことが最近わかってきた。それも見せつけるのではなく、さりげないチラ見せがいいらしい。まったくスケベなジジイだぜ、と飛段は手元の雑誌にふさわしいニタニタ笑いを口元に浮かべ、明日のネタを得るために今日も熱心にページをめくる。



※お題「エロ本」