ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

唾をつける(ss)

昨夜23:33にコメントを下さった方の「カミソリ負けする飛段」という言葉に触発されて書いた小話です。楽しいイメージを本当にありがとうございました^^



角都も飛段も男だ、髭が生える。飛段の髭は色も量も薄くてあまり目立たないのだが、角都がクナイで髭をあたるときは決まって飛段も並んで髭を剃る。手探りでたくみにクナイを扱う角都を男らしいと思う飛段はそれを真似るが、必要もない場所をクナイで撫でまわしていれば傷がつくのは必定だ。あちこちプツプツ出血している飛段の顔を見るたび、角都は、おい血が出ているぞ、と言うのだが、出血に無頓着な飛段は傷一つない相棒の頬を眺めて、へぇそーかよ、と返すばかりだ。どうせすぐに治るのだが、角都はなんとなくちょんちょんと傷を舐めてやる。ときには粗相なく仕上がることもあるが、さあチョンチョンをやってくれ!と待ち受ける相棒の顔を見ると、角都はつい適当なあたりを舐めてしまう。やましいのか、誰が見るわけでもないのにあたりを気にして、コソコソと。