ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

嫌悪感(ss)

こあん様からのリク「雑種」による小話です。こあん様、いつもありがとうございます。また餌を恵んでやってくださいね^^




交渉事は相棒の役割だと思っている飛段は商談時に放っておかれることに慣れている。なので、その日に限って自分にばかり話が振られてくることにまごついた飛段は何度も相棒の顔をうかがった。角都は素知らぬ顔をしていたが、要所では視線で物事の可否を相棒に伝達し、受け答えを指示した。サポートを得てどうにか商談を乗り切った飛段は表に出てから大きく伸びをし、嫌な汗を拭って、ほとんど無口に徹した相棒をなじった。テメーが話せば簡単なのになんで黙ってやがったんだ、あいつらもオレにばっかり話しかけやがってクソ感じわりー、あれって嫌がらせじゃねーの。角都は半ば面白がっている目で相棒を見下ろし、お前、優遇されていることに気がつかなかったのか、と言った。ハァ?優遇って何だそりゃ。あいつらはお前を仲間と見なしたのだ、俺が相手をしたのでは多分料金にも差が出たことだろう、お前の白い肌のおかげだな。眉をひそめた飛段は商談相手の風貌を思い出す。確かに白っぽい奴らだったがそれが商談にどう関係したのかわからない。角都よりオレの方が白っぽいからオレと話をしたがったってのか?そんなに肌の色が大事なのかよ?そういう者もいるということだ、と角都は話を終わらせ、そうして飛段をビルの裏の狭いスペースに連れ込むと乱暴に口づけた。突然の場面転換についていけない飛段はズボンの中に入り込んできた手の冷たさと荒々しさにもがいて身震いをする。相手の抵抗も構わず尻たぶをきつく捻った指が、伸びた爪もそのままに飛段の中へ突きこまれる。そうか、と飛段は蹂躙されながら遅れて納得する。角都も飛段と同じぐらい、いや多分それ以上に腹を立てていたのである。