ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

尾籠な話(ss)

こあん様からのリク「菱餅」による小話です。とても気色悪い内容ですので「汚い話もへっちゃらよv」という方のみお読みください。こあん様、いつもありがとうございます。これに懲りず、また餌を撒いて下さいませm(__)m




公衆トイレが清潔だったためしはないが、そこは特にひどいありさまだった。男女共用の個室は二つしかなく、うち一つは故障していたため、使用可能な設備を入れ替わりに使った角都と飛段はむっつりと不機嫌な顔でその場を後にした。いつも不快をおおらかに口にする飛段ですら口をつぐんでいた。やがて繁華街にさしかかり茶屋に寄った二人は、サービスとして給仕された菱餅を見てすっぱい顔をする。飛段がまず口を開く。うわ、さっきのアレ思い出しちまったぜ。バカ、思い出させるな黙ってろ。けどよー白い皿の上に赤いひし形ってモロさっきのアレじゃん、便所のちっちぇーゴミ箱の上にベロンって乗っかってた、ほらテメーだって見たろ。だから黙れと言っている、黙らんと殺すぞ。文句を言いつつもせっかく出された食べ物を無駄にするわけにもいかず、二人は節句の馳走を口にする。汚れた脱脂綿の映像を忘れようと努めながら、いかにもまずそうに。