ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

言葉は便利2(ss)

こあん様からのリク「つり銭」を勝手に「おつり」と読み変えた小話です。こあん様、いただいたリクから変な話が浮かんできちゃったのでとりあえず吐き出しました。「つり銭」の話はまた後日書かせていただきますね^^;
※排泄系の汚い話です。ご注意ください。




標的を張りこんでいる最中にもよおしたオレたちは便所を探した。見つけた公衆便所は見張り場所から近く、便利は良かったが、中をちょっと覗いただけでヤバイことがわかった。オレは我慢することにしたが、角都はせっぱつまっていたらしく、暗くて臭くて赤いちゃんちゃんこを着たおかっぱの女の子が立っていそうなそこへ入っていった。やがて世の不幸をすべて背負ったような顔をして出てきた角都は、どうしたよ、と尋ねるオレに向かって渋そうな口を開く。用を足したらな、糞が下からはね返ってきやがったのだ、誰がしたのかもわからん冷たく臭い糞がな。オレは深く同情し、片手を伸ばして角都の頭巾のてっぺんをちょいちょいと撫でたが、奴が振り払いもせずに大人しく撫でられているので不安になり、懸命に慰めた。元気出せよ、ほらウンがついてきたのかもしれねーだろ、なあ今夜はサービスしてやるから機嫌直せってェ。いろいろ言ってやっても陰気なままの相棒にオレは手を焼き、今度はキツい言葉で励まそうとする。ケッ、こんなことでしょぼくれんなよジジイ、おつりが戻ってきたぐらいで死にそうなツラしやがってよォ。角都の肩がぴくっと揺れ、眇めた目がオレを射るように見る。おつり、だと。おうよ、クソがケツまではね返ってきたんだろ?オレの里じゃおつりって言うんだぜそれ。角都は少し考えて鼻を鳴らすと、くだらん、と言い捨てて背を伸ばした。こんなことをしていても埒が明かん、急襲をかけて片をつけるぞ、いいか飛段。よっしゃ、と応えながらオレは急に生気を取り戻した相棒を物悲しく眺める。オレがサービスしてやると言ってもしょげていたくせに。どう呼ぼうがクソはクソだろう、なのにこいつときたら。