ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

負けず嫌い(ss)

こあん様からのリク「肩を並べる」による小話です。「張り合うのか、寄り添うのか、第三者から見て阿呆さ加減が五分なのか」との要素をとりあえずみんな入れてみました。パッチワーク野郎も(笑)。こあん様、楽しいリクをありがとうございました!




よりによって互いのものをいじりあっている最中に、角都と飛段は口喧嘩を始めた。飛段は角都の経済への偏重ぶりを、角都は飛段の能率よりも快楽を優先させる仕事ぶりを糾弾し合ったのだが、表現が幼稚だったため、内容も表現に合わせてどんどん堕落した。カネカネって金がそんなに欲しいならテメー自分の体でも売ればいいだろォ、買い手がつけばだけどよォ。貴様こそ仕事中にキモチイイなんて破廉恥なことを抜かすぐらいなら街角で尻でもさらしておけ、誰かが気持ちよくしてくれた上に金もくれるかもしれんぞ。堅い指先で段差を上下にしごかれた飛段は一瞬脱力してしまうが、くにゃりと仰け反った体を相棒に支えられる前にどうにか自力で立て直す。ああ悪かった貴様は快楽に弱いんだったな、と揶揄する角都。相棒をぎりっと睨み上げた飛段は頭を俯け、自分の手に握られた物体に唾液を垂らす。角都は反射的に腰を引くが飛段の手からは逃れられず、ぬるつく先端を爪先でくじられて腹筋を波打たせ、歯を食いしばる。貴様、下品で愚かな狂信者め、貴様の布教がうまくいったことなどないだろう、能無しめが。ハァー、テメー宗教のことを悪く言うとただじゃおかねえぞクソジジイ。俺は宗教ではなく貴様の布教を貶めたのだ、そんなこともわからんか、バカもの。テメーにバカ呼ばわりされる筋合いはねーぜ、パッチワーク野郎。激しくなる語調とともに指の動きも執拗さを増す。カ、カ、カ、カ、と鳴きながらカラスが飛んでいく。もう夕暮だ。なのに誰にとってもどうでもいいこの勝負、二人とも一歩も引かない。