ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

境地(ss)



今日のお前の戦い方はなんだ、と苛立ちもあらわに角都が飛段を叱り飛ばす。俺たちがしているのは命のやりとりだぞ、わかっているのか。だーかーらーそれをオレに言うか角都よォ、とはなはだ不真面目な態度で飛段が応える。どうせこっちは死なねぇんだ、ちょっとぐらいやられたって関係ねぇだろー。まったく反省の色がない相棒に角都は立腹し、金輪際こんな奴の心配などするものかと心に誓うが、焚火に枯れ枝をくべた飛段がもそもそ寄ってきて、角都ぅトゲ刺さった、と訴えると、ついつい差し出された手を取ってよく見えもしないトゲを抜くのにやっきになってしまう。そうして角都は諦念を得るのである。他人と過去は変えられない、ならば自分と未来を変えるしかない。