ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

要は、やる気(ss)

飛段の手から水を飲む角都を書くつもりが、まったく別の話になりました^^;



あたりにもうもうと土煙が上がる中、飛段は相棒の名を呼びながら、ついさっきできたばかりの小山の裾を歩いた。土遁使い同士の戦いはわざが大きすぎて、別の相手とやりあっていた飛段には正直どちらがどちらを攻撃しているのかよくわからなかった。角都が負けるわけがないのだが、山周りを一周しても見慣れた姿は現れない。遠くのあの影は立木だと思うがもしかしたら角都かもしれない、と進行方向を変えたとき、思いがけない近くから呼びかけられて振り向いた飛段は、山を背負った亀のようにぴょこりと頭だけを地表すれすれの斜面に突き出した相棒を発見した。何してんだぁテメー。本気で訝る飛段の問いに、角都は実に悔しそうに、挟まった、と答える。術者がとんだ巨体でな、高額の賞金首だから持ち出したかったんだが間に合わずこのザマだ、チャクラが戻るまでは出られそうもないな。どうしたらよいかわからない飛段はとりあえず角都の頭をぽんぽんと叩き、まわりの岩肌を手で探ってみたが、どこの古い岩山を運んできたものか、手ではもちろん鎌でも掘れそうにない。そうこうするうちに喉が渇いた飛段は幸い近くに見つけた水場で乾きを癒し、両手に満たした水をよちよち運んで、犬に与えるように相棒にも飲ませた。やがて日が暮れてきたが、岩山につぶされないよう硬化を続けている角都の回復は思うようではない。その苛立ちは当然飛段に向けられる。夕陽が眩しいぞ日陰をつくれ、水がぬるくて土臭い、虫を追い払え、汗を拭け、腹が減った、何だと兵糧丸も持っていないのか、何という気のきかない野郎だ。本気で相棒を案じていた飛段はできるだけ要望に応えようとしたが、小便ぐらい我慢しろ俺はできないんだぞと言われてさすがにキれ、わざわざ角都に見えるところで長々と用を足して見せた。ふースッキリしたぜ、やっぱションベンは出したいときに出さねーと変な病気になっちまうからなァ。角都に尻を向けて聞えよがしに言った飛段は、いつの間にか背後から影のように這い寄ってきていた触手に足を絡め取られ、勢いよくうつ伏せに倒れて地面を引きずられる。触手は角都の口から出ていたから、うおーと喚きながら逃れようと暴れる飛段は必然的に角都の口元に、それも急所を露出した下半身を先頭に引き寄せられることとなった。お互いかっかと怒っていた二人だが、その間に挟まった小便と土にまみれ擦り剥けた哀れな飛段の体の一部になぜだか角都は手(正確には触手)を出してしまい、すると飛段も非常に良い反応を見せ、触手はどんどん服の中へ入っていくし、いざこざがあったことなどとうに忘れたのだろう、飛段の股もどんどん緩んでいくばかり。やがて漏れる、かくずぅ、という喉声がまだ足りないチャクラを増幅する。目の前にぶら下げられたご馳走に食らいつこうと力んだ角都が、ジギ、ジギ、と音を立てて身を押しつぶす岩を持ち上げ、ようやく生まれた隙間から蛇のように這い出ることに成功するまで、あとわずかである。