ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

気持ち悪い!(ss)



飛段がいつも相棒の愚痴ばかりこぼすから、オイラは粘土で角都のフィギュアを作ってやった。像は手のひらにのるぐらいの大きさで、腕組みをして威張っているところなんか角都にそっくりだ。飛段はげらげら笑った。オイラが角都の頭を長めにつくって、その先端をナニに似せたからである。うわーみっともねえのに威張りやがって超ウケる!と腹を抱えていた飛段は、じゃあ喝いくぜとオイラが指を立てたとたん真顔になり、やめろよ、とマジ声を出した。何すんだよかわいそうじゃねーか。お前こそ何言ってんだ、そいつぁ起爆粘土だぜ、爆発させてナンボだろう、うん。構わず喝しようとしたオイラだが、だめだって!と高い声でわめかれてためらっているうちに、飛段はそれを大事そうに胸に抱えて持って行ってしまう。変な奴、と見送ったオイラは、後日飛段の部屋で当たり前のように枕元に置かれているフィギュアを見てぎょっとする。安定の悪いフィギュアはマットレスの上には立たなかったらしく、飛段はその人形の脚を曲げて正座させているのである。まるで永遠に叱られているような角都の頭はそれでも長く伸びて威張って上を向いている。グロテスクだ。今さらだがあんなものを作って角都にすまないことをしたとオイラは後悔する。いや、実際にすまないことをしてるのは飛段なのだが、奴に悪意がない限りオイラの方がどうにも分が悪い。