ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

休日(ss)



夜中、抱いて寝ていたはずの飛段がベッドのそばに立ち、何か言っている。眠いし腕の中は空っぽだし、俺はとりあえず相棒をつかまえて心の平安を得る。飛段がまだ何か言おうとするが、頭を二回ほど撫でると大人しくなる。犬のような奴だ。そのまま寝入り、目覚めれば俺も男で朝のしるしがある。目の前にある相棒の唇を舐めて紛らわせてみるが、寝惚けた相棒が妙に色っぽい吐息を漏らすので一気にその気になり、温かい体を押さえつけていろいろ始める。覚醒した相棒が、なあ今何時、と言う。あのな角都、と言いかけるのを接吻でふさぎ激しく揺すぶるうちに相棒が失神したので、俺は昼からの約束に間に合うぎりぎりの時間まで行為に励む。やりたいことを一通り済ませ、身支度を整えて出発しようとした俺を、フロントとは名ばかりの料金所に立つ男が呼び止める。ゆうべお連れさんにお知らせしたんですけど、と渡された伝言カードには情報屋の筆跡で、予定が変わり明朝十時にこの地を発つのでそれまでに来訪されたし、とある。今は十一時。光速を超える速度で移動して時間を遡らなければ情報屋に会うことは難しい。しかたなく俺は部屋に戻り、服を脱ぐと、先ほど念入りにシーツでくるんだ相棒をまた開梱する。反省はしている、だがせっかく得た休日だ。楽しまなければ損じゃないか。