ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

け(ss)

こあん様からのリクエスト「衣替え」による小話です。こあん様、下品ですみません^^;そして楽しいお題をありがとうございます!



飛段が俺の提案を拒絶する。もう十月も十日だぜ、衣替えはちゃんとしねーと。そうは言ってもまだ暑い日もあることだし、と俺は常になく歯切れが悪く説得に努めるが、ダメだってェ、と一蹴されてしまう。テメー先週もそう言って遅らせたろ、おかげで風呂屋でじろじろ見られてひでえ目ついたぜ。しっかしどいつもこいつも夏の衣替え守ってねーのなモッサリしてたぜ、とぶつぶつ言う相棒に俺は沈黙で返す。へたな言い訳はかえって危ない。しかしなんと悩ましいことだろう、俺は相棒の冬装備も嫌いではないのだ、あの滑らかな手触り、引っ張るといちいち反応のある相棒の体。しかしいったん夏仕様にしてしまうと元に戻るまでの時間がどうにも長すぎる。背後からことに及ぶとしてもいじって遊ぶときの手触りが悪い。対面では痛みすらある。しばらく続くであろう難儀を考えて渋い顔をする俺に相棒がぴしゃりと言う。大体言いだしっぺのテメーが衣替えしてねーのはおかしいぜ、オレも来年はぜってーしねーからな。衣替えは若い者のすることだ、テレビでも学生ばかり映していただろう、俺などがしたらいい笑い者だぞ。飛段がムッと頬を膨らませるが、どうにか騙せたらしくそれ以上の反論はしてこない。ここが引き際かもしれない、と俺も説得を諦める。まあ幸い相棒の毛質は柔らかいから少し経てばすぐに馴染むだろう、いずれは冬装備になるのだし。それまでの間、揺すられるたびに自分の局所がチリチリすると言って焦れる相棒の風情を楽しみながら待つとするか。