ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

こいぶみ



飛段

サンタがやって来てうるさく言うのでお前に恋文を書くことにした。実に馬鹿げている。俺が任務中だとお前はわかっているのか?俺が暇を持て余しているとでも?鬼鮫は有能で良い忍だが、青くて見るからに寒そうだし寄り添う気が起こらない、つまり俺は任務の間を縫って寒さの中で一人震えながら、布団の中でぬくぬくしているお前のためにかじかんだ手で手紙を書いてやっているわけだ。飛段よ、世の中は実に不公平だぞ、よく覚えておけ。
そうだ、恋文だった。貴様は俺に「飛段、お前を愛している」と書いてほしいのか。ふざけた野郎だ。「飛段、お前を愛している」なんてにやけた言葉を俺が使うと思ったら大間違いだぞ。そもそも言葉など虚しい。「飛段、お前を愛している」と百回書いたところで、それはただの紙と墨にすぎないだろう。そんなものが本当に欲しいなら、お前は俺が思っていたよりもよほど愚かな大馬鹿者に違いない。
できるだけ早く帰る。お前と打ち合わせなければならないことがいろいろとある。話さなければならないことも。手紙では充分に伝わらん。時間を無駄にするつもりはないので他の用はすべて断り俺の帰りに備えろ。わかったか。わかったなら早く寝て体を健やかに保て。ちゃんと服を着て毛布で肩をくるんで休むんだぞ。布団を掛け直す俺は傍にいないのだから。野菜も食えよ。死なないからと言って油断するな。体を粗末にしたら承知せんからな。

お前だけの相棒角都