ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

大した奴(ss)

デイダラ視点です。



打ち合わせの場なのに、角都と飛段がベタベタとくっついている。いつものことだしオイラたちは見て見ぬふりをするが、見かねたリーダーは果敢にも離れるようにと注意をする。寒いのでな、と角都は答える。だが他の者の手前よろしくないというお前の言い分は理解できる、ではお前が俺たちの間に入れ、そうすれば色ごと臭くならんだろう。リーダーが困った顔であたりを見回すが、オイラたちはみな俯くかそっぽを向いている。誰だって自分の身が一番可愛い。かくして左の角都、右の飛段に挟まれたペインは、自分の頭越しに「角都ゥ手ェ冷てェ」「フン、さすってやるから待ってろ」「オイそこは手じゃねーって…あっ…」「うるさい黙れ飛段…フフフ」などという戯言を交わされながらも懸命に今日の議題について話を続ける。ときどき「おれの尻には触らんでくれ」などと上ずった声を挟んだりするが、へこたれない。大した野郎だ。世界征服を唱えるだけのことはある。ああなりたいとはまったく思わないが。