ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

鳥はときどき意味不明(ss)

こあん様のステキブログ「駄々漏れ」様の4/21の記事から角都のセリフを拝借しました。こあん様、いつもすてきなネタをありがとうございますm(__)m



二人が歩く崖は切り立っており、眼下に広がる海の水は群青色をしていて角都の目を喜ばせた。コートの裾が海風にばたつくのも楽しい。じっと海を楽しむ角都の隣で飛段が、あー、と頓狂な声を上げる。あれ、角都、あれ見ろよ、鳥が海に刺さってくぜ。見ればカツオドリが白黒の体を矢のように変形させて急降下し、水面に鋭く突き刺さっていく。あれは、と説明を始めた角都は、突然ダッと走りだして崖から海へ飛び下りる相棒の姿を呆然と見送る。ヒャッハー、と伸ばされた声は、ザン、という水音とともに途切れ、角都の耳に届くのは海の音のみとなる。どこまでも青い海原を見下ろして角都は待つが、さほど経たずして白い肌に黒い装束を貼りつかせた相棒が水際にあらわれ、便利な武器を崖に打ち込むとワイヤーを鳴らして角都のもとへ飛んで戻ってくる。片足で飛び跳ねて耳の水を出しながら、いやー鳥ってやつはときどきわけわかんねえことするよなー、と飛段が言う。ぶるぶる、と相棒の頭から飛び散るしぶきを浴びながら、角都もやはり疑問を持つ。なぜ俺はこいつと組んでいるのだろう、そして、なぜこいつでなければだめなのだろう。