ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

おゆうぎ(ss)



大きな栗の木の下で二人して服を半分脱いでイチャイチャしていたとき、突然飛段がオッと言って自分の股間を指さす。見れば枝から落ちてきたのか小さな尺取虫が飛段の竿の根元に取りつき、どちらへ進むか迷うように頭を振っている。飛段はそれが先端まで行くと言い、角都は行きつけないと言い、二人は賭けをする。虫に触れないという決まりごとを守りつつ、しかしじきに飛段が文句を言いだす。角都テメー先っぽいじんじゃねーよ、せっかく虫のヤローがそっち行くとこなんだから邪魔すんなって、コラ、おい、そこやめっ、やっ、んっ、んうっ。ウロウロしながらやっと行くべき方向を決めた尺取虫だが、進路の途中で突然ぬかるみに出くわし、踏み入れた足を慌てて引き抜いて回れ右をする。再びスタートラインまで戻ってきてしまった虫を角都はつまみ取り、相棒の鼻先で振って見せ、ぽいと投げ捨てる。賭けの賞品として愛の言葉を要求しつつ、角都は服を半分脱いだ相棒をあぐらに入れ、そうして二人で楽しく遊ぶ。大きな栗の木の下で。