ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

独語・Co7(trash)

明日2/20の1:00〜7:00にメンテが入るそうです。

大好きなサイト様が一時休止されていまして、「今まで行けばいつでも見ることができたのは本当に幸運なことだったんだ」と身をもんでおります。何度もうかがって休止を確かめているものですからすごいアクセス記録が残っていそう…。お早いご復帰を心から願っております。



<カンパニー 7>


この国には固有の宗教があり、飛段はその熱心な信者である。あちこちぶらぶらしてたときにジャシン様を知ってよォ、今まで探してたのはこれだーって思ったんだよ、宗教ってのはどうやって生きればいいかっつー、なんだ、やり方をだな、超シンプルにわかりやすく説いたものなんだ、テメーもいい加減神に帰依したほうがいいぜ、金ばっかり追ってると業が重なるからなァ。相手が垂れ流す御託を興味なく聞き流す角都だが、撮影の夕暮れ待ちや夜間の長時間露光などの待機中に飛段がとりおこなう儀式については無関心を装って様子をうかがうことがあった。地面に描いた円陣の中で飛段は先の鈍い杭のようなもので胸を突き、しばらく死んだように横たわる。擬似の死を経験することで恍惚感を得る一種の苦行なのだろうが、きもちいい、などと上ずった声を上げて仰向けの体をひくつかせている様子はあからさまに性的で、角都はずいぶん居心地の悪い思いをしているのだった。戒律により異性との接触がほとんどない国のこと、この宗教はそのあたりも含めて「どうやって生きればいいかっつー」指針を信者へ与えているのだろう。しかしもう若くはないものの角都とて枯れておらず、たびたびひっくり返って神と交わる運転手のありさまは異教徒の目に毒である。三十分も経ってるぞ、まだか飛段。うるせーよ、儀式の邪魔すんな。毎度毎度のその悪趣味な祈り、少しは省略できんのか。オレだってめんどくせーけど戒律なんだからしょーがねーだろ。がみがみと言い返しながら起き上る運転手に先ほどの色はなく、角都は内心ほっとする。こいつがやるとやけに破廉恥な感じがするのはどうしたことだろう、ほかの男たちが同じ儀式をしていても、ああやってるな、ぐらいしか思わないのに。妙なものだ。