ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

脳みそパーン(ss)



飛段が着るものを買ってくれと言う。余計な服などいらんと角都は答える。余計な服じゃねーパンツがもうダメなんだよ、と飛段は訴える。ケツに合わねーんだと思うぜ、歩いてるだけでパンツが全部尻の間に挟まっちまうんだからよー。角都はあたりを見回して無人を確かめると、相棒のコートをまくりあげ、ズボンを下げて下着の状態を見る。ズボンがそれ以上下がらないようガニ股で立つ飛段は背後にしゃがむ角都に、な、ひでーだろ、と同意を求める。確かに、足口の伸びた古いブリーフはくちゃくちゃになって丸い尻たぶの間に挟まっている。角都はじっくりと目の前の尻を眺めた挙句、問題ない、と答えて相棒の服を直してやる。いや問題ありありだろーが、と飛段が騒ぐが角都は無言のまま立ち上がって歩き出す。右隣からブーブー飛んでくる文句にも反応しないのは無視しているのではなく脳内の情報処理が追いつかないためである。機能性よりデザインを優先した装束を今までバカにしてきたのだが、その価値観が角都の頭の中でひっくり返っている。今現在もあの服の下では奴の一歩ごとに布がよれてますますけしからんことになっているに違いない、と角都は考えマスクの下でこっそりと熱い鼻息を漏らす。真昼間の身近であんなことが繰り広げられているとは!世界はなんとすばらしいのだろう!