ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

準備万端(ss)



打ち合わせで遅くなると言って出かけて行った角都は本当に遅い時刻に帰ってきた。何をどれだけ飲んだのかへべれけだ。部屋に入るまでけっこうしゃんとしていたくせに二、三歩歩いたらへろへろと膝を崩し、オレが敷いておいてやった布団に斜めにひっくり返っている。揺すっても叩いても目を覚まさない。こうなると助平心が湧いてきて、オレは角都の頭巾やら服やらを剥ぎ取り、濡らした手拭いで酒臭く赤い顔や体を拭いてやった。献身的ないい相棒のふりをしているが鼻息は荒い。一通り拭いてからパンツを下げると見慣れたナニがふらりと立ち上がる。ざっと見ただけで「あ、使ってこなかったな」ぐらいのことはわかるが、念のために触ったり匂いを嗅いだりして調べる。当然他のこともする。次は魚みたいに角都を裏返して背中を拭く。目の前には尻の丸みに引っかかっているパンツ。オレはそれをさらにずり下げ、ゆるく開いた太腿の間を拭く。口実の手拭いはよれて小さくなり、しまいにはどこかへ行ってしまう。うつぶせの角都の内腿を撫でさするうちに伸ばした親指が尻の間に滑り込み、オレはしばし天国を満喫する。さて、と自分のズボンに手をかけたとき、びよんと伸びてきた角都の片手がオレの首をつかみ、そのあとからゆっくりと本体が起き上がってきた。や、誤解すんなこれは親切でオメーの体を拭いてやっていただけで、とつぶれた喉から声を絞り出すが、角都はまったく聞いていないみたいに大あくびをし、それからまことに事務的な手つきでオレのふくれた股をつかむと、準備ができたようだな、と言った。や、準備ってそれ違う、と抗弁もむなしくオレのズボンはあっという間に下げられ、体も角都の下へ引き込まれて、さっき舐めていたずらしておいた角都のナニがオレの中に入ってくる。違うー、とわめきながらそれでも結局いっちまうオレ。相棒の悪辣さを見誤ったこと、見られていないと思って自分の欲望をむき出しにしちゃったこと、その他もろもろいろんな点でイケてない…。