ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

ケチなくそじじい(ss)



構って欲しがる相棒を無視していたら拗ねだした。こちらに赤い鎌を向けて焚火の光が届かない暗がりでふて寝をしている。炙った干し肉をフキの葉において呼んでやっても知らぬ顔だ。近寄って眺めてみればなんとすやすやと寝入っている。むっとした俺は持てる技術を総動員して悪ふざけをしかける。目を覚ました相棒がこちらを口汚く罵るが、さんざん弄ばれるうちにヒーとかフーとかしか言わなくなる。ケチなくそじじいにいたずらされて夢心地になるとは貴様も相当安い野郎だな、と俺はねちねち相棒を嘲る。簡単に許してやる気などない。こいつは言うに事欠いて俺をケチ呼ばわりしたのだ。とっておきの干し肉をおごった俺の気も知らないで。