ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

わたしのあなた(ss)



相棒の換金待ちをしていた飛段は、すぐ隣にあった保育施設から繰り返し流れてくる歌を聞いているうちに覚えてしまう。やっと出てきた相棒と連れだって歩きながら、飛段は覚えたばかりの歌を口ずさむ。おおきなくりのきのしたで、あなたのわたし、なかよくあそびましょ、おおきなくりのきのしたで。歌詞のどこかが間違っているような気がする角都だが、自分もうろ覚えなので黙っている。そうして歩いているうちに二人の影がゆっくりと伸びていく。ときどきついたり離れたりしながら。高い高い空の下。