ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

オチはない(ss)



夜、野営の火で芋を焼きながら、なあ、と飛段が相棒に話しかける。角都よ、オメー実はジャシン様だったっつーオチなんかねーの。飛段の頓狂な言動には慣れている角都だが、さすがに少し間を置き、ない、と答える。なぜそんなことを考えついたんだ。いや、そーすりゃ手間が省けるだろ、いろいろ。理解が追いつかない角都を置き去りに飛段は棒きれで焚火をつつく。もう話は終わったらしい。念入りに埋めておいた自分の芋を取られそうになった角都は慌て、こちらも棒きれで飛段を撃退する。むら雲の広がる夜空に星のような火の粉が渦を巻きながら舞い上がっていく。