ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

からから(ss)

角飛界の牽引者、dd-moreのこあん様から「乾燥注意報」のリクエストをいただきました。しばらく作文をさぼっていた当方にすてきなリハビリをありがとうございました、こあん様!
※後刻、誤字直しました(^^ゞ



強い木枯らしが吹く荒れ地を歩き切り、ようやくたどり着いた情報屋の小屋には薪ストーブが弱々しく燃えていた。主と話を始めた角都をよそに飛段はストーブにはりつき、盛大に垂れてくる鼻水をさかんにすする。おい角都ゥオレ風邪ひいたー、と騒ぐ飛段に角都は、うるさい黙れ、とそっけない。バカは風邪引かん、貴様の悪いところは頭ぐらいだろう。おいおいオレの頭は悪くねーぜ、生まれたまんまみてーにまっさらだからもっと使った方がいいってこないだオメー言ってたじゃねーか。それがバカだと言うんだ。なんだとォ、テメーの口の方がよっぽど悪ィだろーがよォ。ハハハお二人とも見た目が悪くないだけいいじゃないすか、おれなんか顔が粗末だから、と乾いた笑い声をあげて場を収めようとする情報屋だが、誰も「そんなことはない」と否定してくれないので内心不愉快になる。ストーブの上のヤカンがほやほやと頼りない湯気を上げるが空気は干からびていくばかり。