ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

うらうら(ss)



穏やかな春の日、桜の木の下で角都が相棒の破けたコートを繕っている。小言も言わずていねいに針を運んでいるのは、今日の戦闘で自分を庇ってくれた飛段に対して負い目を感じているからだ。一方太い枝に座った飛段は服を直してくれている角都に単純に感謝し、咲き始めた花をいくつかむしって相棒の上に花びらを降らせる。互いのことばかり考えているくせに相手の気持ちなどちっともわかっていない変な二人組。