ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

痛み(ss)



戦闘中、飛段が引き戻した武器の柄が角都の肩を打った。一瞬のことだったし怪我もなかったが、自分の動きを乱された角都は不快を覚えた。相棒に武器をぶつけたことに気づかなかったのか飛段は謝らなかった。激しく動く中で起きたことであり、避けられなかった自分にも原因があるとわかっていても角都の不快は消えず、いつまでも喉の奥に淀んでいた。相手の部隊を殲滅すると、角都は地面に転がっている飛段に近づき、肩のあたりを蹴りつけた。いてっ、とわめく若造を文字通り見下して、同じところをもう一度蹴る。ほう痛むか、それは悪かったな。