ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

麺二題(ss)

角都さんが焼きそば作っているらしいと聞いて、その記念に。まったく無関係な話ですが。


ディベート
角都は蕎麦が、飛段はラーメンが食べたい。口論の末、民主主義らしく多数決で決めよう、という角都の言葉にのせられた飛段は、本体から二本、背から八本の腕を生やした角都に負けてしまう。そんなのずりーぜタスーケツってそんなもんなのかよと飛段は訴えるが角都は涼しい顔だ。だが大仰に悲しがる飛段がもう一度決をとると、今度は角都の背の腕数本がラーメン側に上がり、情勢が怪しくなる。二人は審査員を脅したり泣き落としたりしながら互いに持論を展開する。別々の店へ行けばよいのにその選択肢は二人の中にないらしい。


<オフゥ>
とあるカップめんの名の由来についてタレントが、未確認飛行物体のことじゃなくて、うまい、太い、大きいの略なんですって、ご存知でしたか、と問いかける。へー知らなかったぜ、とテレビに向かって律儀に返事をした飛段は、でもよォ、とぶつぶつ言う。フツー見て「でかい」って驚いて、口に入れて「太い」って実感して、食って「うまい」って嬉しくなるもんじゃね?順番おかしくね?うむ、と角都は生返事をしながら帳簿をつける。飛段もテレビを見続ける。口に出しては言わないが、偶然にも二人は同じことを考えている。角都のはもちろんだが、飛段のお宝もなかなかどうして立派なものなのだ。