ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

恥じらい(ss)



一戦交えたあと、柔らかくぎっしりと生えた雑草の上で仰向けになったままの飛段が、身を離す角都を見上げて、おめぇの体ってマジ世界一だぜ、と言った。どこか幼く古臭い褒め言葉を角都は鼻で笑い、世界一だと、貴様俺しか知らないくせに、と返したが、言ってから自分のセリフの甘さにいたたまれなくなった。急に不機嫌になった相棒を飛段はもてあまし、体だけ好きなわけじゃねーぜ、などと言ってみたが角都はかたくなになるばかりだった。恥ずかしがりな恋人をあやすには飛段の経験値はあまりにも低すぎた。