ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

恥知らず(ss)



遠く離れた地での一人仕事を済ませてきた角都のポケットに紙切れが入っている。見れば情交中の飛段の写真で、しかもぎょっとするような構図である。驚いた飛段がいつ撮ったのかと尋ねると、出かける前の晩にな、と平気な顔で答えてくる。おいおいオメーおかしいぜ、おかずにしたってなんでわざわざこんなグチャグチャなところを撮ってんだよ。どれ、と写真を取り戻した角都は、お前いつもこんなもんだろう、と失礼なことを言ったが、写真がおかずであることは否定しなかった。飛段は何やら恥ずかしくなり、角都の手元を指さして、いやおかしいだろ、だって同じ写真が何枚もあるぜ、とぶつぶつ言ってごまかそうとした。確かに四つん這いの尻を撮った似たような写真が三枚ある。ああこれはだな、と角都が説明する。これがいく前、これがいく時、これが気持ちが良くなった後のお前の尻だ、そう思って見れば違いがわかるだろう。ハァー?ぜんっぜんわっかんねーよォなんだよそれ!真っ赤な顔で飛段はわめき、写真をつかみ取ると細かく破いて地面に散らす。そして乱暴に相棒を押し倒し、ズボンをずり下げてまたがっていく。まっぴるま、往来近くの野外でやっているところをひとに見られるのは平気なくせにああいう写真は恥ずかしいのだった。なぜだろう。